『マラソンは毎日走っても完走できない』(要約) |
はじめに マラソンで3時間をきるには「負荷をかけるトレーニング」をする。
第1章 走るための準備を整える
「体づくり」「脚づくり」「シューズ選び」の3つを整える
1.走れる体をつくる
・ウォーキングから始めて「体重を減らすこと。歩くことは走ることと変わりがない」 ただ速度が違うだけ。
・まず自分なりの「早足」10分と「ゆっくり」を10分。各々10分を40分間歩くこと これをまず2ヶ月続けること。
・走れるようになれば「早足」を「走り」に変えるだけのこと。
・歩くフォームは「背筋をまっすぐ伸ばして歩くこと」
2. 走れる脚をつくる
・目的はジョギングではなくフルマラソンを走る脚づくりとする。
・スピードが落ちる原因は呼吸ではなく、脚である。
・呼吸が苦しくなるのは、ペースが速すぎるだけのこと。
・マラソンに耐えうる脚を作るには脚に刺激を与える練習が必要。
・モデルパターン:週3日練習日のうち1日を「脚づくり」に重点を 置く練習日にする
・「鼻歌ラン」による脚づくり練習モデル:時間90分/距離7~10Km →ウォーク(30分 )+ラン(30分)+ウォーク(30分)
・「全力1Km走」による心肺と脚づくりモデル:時間40分~45分
→全力(1km)+ジョグ(5分)+全力(1km)+ジョグ(20分)
・「全力」とは「猛ダッシュ」ではなく「1kmを継続できるスピード」
・「全力1Km走」練習日の翌日は「鼻歌ラン」を90分続けること。
・ペース:「歩き」:1k15分。早足:1k11~12分。ジョグ:1k10分以内。初心者 は目標として「1k8~9分」を。
・フォーム:「走っていくうちに無駄がそぎ落とされて自然と自分にあったフォームが 完成されていく」
3. 「シューズ選び」
・着地衝撃は体重の3倍。ポイントは「ソールの反発力」
・練習用は「ソールが厚く弾力性のあるシューズ」
・レース用は「ソースが薄く軽いジュース」
・サイズ合わせは横幅とつま先とかかと。深くならないかかとで。
・発汗性に優れたウエアと5本指ソックスと夏場のサングラス。
・「速く」走るには「全力(1km)+ジョグ(5分)+全力(1km)」の繰り返し
10キロもハーフもフルもこの基本の発展形。
・そのために必要な「①より負荷をかけたトレーニング②フォームのチェック③練習日 誌による自己管理」を紹介する。
1.負荷をかけたトレーニング
・負荷とは「脚と心肺の両方に負荷をかけること。
・初心者には以下 の4つのパターンのいずれかを週1回のトレーニングに取り入れる こと
①「全力走+「ジョギング」+「全力走」(インターバル走)
②徐々にペースを上げ最後は「全力走」(ビルドアップ走)
③長い距離を走る
④練習コースを工夫する。
【一週間のスケジュール 】
・一週間に1,2回は負荷あり練習日をつくる。
・土曜に負荷練習の後の日曜は、ゆっくりの長い距離を走る。
・平日は月曜も走れるとよい。
・水曜と木曜も少しでも走る。
2.フォーム
・走法について
ピッチ(歩幅を小さく脚を速く回転させる)走法とストライド(歩幅を 広げて脚のバネで走る)走法があるが、どちらがいいかは気にすることはない。自分の一番楽なストライドで走ること 自然と身につく。
・フォームについて
これもあまりに気にすることはないが、以下の4つ で点検を
①着地は一直線上に。かかとから親指付け根へが一般的。
② 小刻みな腕振りができればピッチが自然と上がる。
③ 頭を振らずにまっすぐに目線は3メートル先か近くをみること。
④ 疲れたらハッーと空気を吐きだすこと。
3. 自己管理
① 食事で体重を管理する。
・食事は「減らす」のではなく「工夫する」こと。
・食事毎のカロリー計算と必要カロリーはインターネットで判る。
② 脈拍で練習量を調整する。
・布団から出る前に20秒で図れ(3倍すればよい)
・走り終わった直後に1分間の脈拍数を測り、上がっていれば負荷効果が高い。
・脈拍が多いときは、疲れのサイン。
・自分の最適ペース脈拍は138-(年齢÷2)で計算する。
・高橋尚子選手は1分間で35回だった。(成人平均で60~70回)
③ 練習日誌をつける。
・日付、曜日、天候、気温、体重、脈拍、体調、練習時間、練習距離、メニュー感想。
・メニューはコースと練習方法を記載。
・ ここでは、効率的な練習の代表格「スピード練習」の全体像と活用の仕方及び「ス ピード練習」を取り入れた1週間の練習スケジュールを紹介する。
1. スピードトレーニング
以下の4つのメニューはいずれも「全力」がキーワード。 ①~③は「全力走」というスピードの「全力」④は同じスピードでもレースペースという「全力」です。
① インターバル走 これはザトペック(人間機関車)で有名な訓練法。
「全力走」と「全力走」との間に「ジョギング」を挟むことで、断続的に負荷をかけ続ける
② レペティション走(略称:「レペ」)
インターバル走の「ジョギング」を「休憩」に代えたもの。
③ビルトアップ走 走行スピードを徐々に上げていくトレーニング。
最終的には「全力走1km」などの決まった距離の「全力走」をおき心肺と脚を追い込む。
④ペース走
出場するレースに備え、レースペースで走るトレーニング。本番の半分の距離などを同じペースで走りきって、体に目標ペースを刻み込む。
スピードトレーニングメニュー(具体例)
① インターバル ・10キロレース及びハーフマラソン用
→「1キロ(全力)+ジョギング2分」×3本
→「400 m(全力)+200m(ジョギング)×5~10本 ・フルマラソン用
→「1キロ(全力)+ジョギング2分」×5本
→「2キロ(全力)+2~3分歩き」×3本
→「3キロ(全力)+2~3分歩き」×2本
② 坂道インターバル走(短時間練習用)
100メートル以上の坂道を利用。
→上りを「全力」下り「ジョギング」で1本を10回。
③ レぺティション(レペ)
・公園などで1キロの周回コースなどを使い1周全力で走り、10位止まてって休憩し、呼吸を整えてからまた1キロ全力で走る。
④ ビルトアップ走 ・5キロを走る場合、1キロずつ5秒ペースを上げて走る。また周回コースがあれば、1周ずつペースを上げる。
⑤ ペース走(10キロレースで55 分で走りたい場合)
a) 目標ペースが自分の実力よりちょっと速い設定
→10キロを5回に分けて、2キロずつを11分で走り、休憩かジョグを入れて、また2キロ走を繰り返す。体に目標ペースの速度を覚え込ますこと。
b)目標ペースは適切な場合
→1キロ5分30秒ペースで長い距離を走る。すくなくとも3~5キロは走っておく。ハーフなら7~10キロ。フルなら10~20キロは走ること
⑥ LSD(Long Slow Distance)
・「体に負荷をかけた翌日などにゆっくりと長い距離を走ることが必要。これで休息を兼ねた脚を鍛える一石二鳥のトレーニング。 ・スピード訓練などが難しい年配者にお勧めの練習法。
浦安ランナーズクラブに入会し、土曜の定例練習会以外に毎週水曜日に浦安市運動公園を起点に7キロ乃至10キロのLSDをしています。以下は、その時のコース写真です。