2012年 10月 14日
京大原子炉実験所 小出裕章助教の講演を聴く! |

1)原子力発電所のウラン使用量について
広島原爆で燃えたウランの総量は800g。100万kWの原子力発電所1基が1年運転する毎に燃やすウランの重量は1000kg(1トン)である。
2)福島原発事故による放射能(セシウム137)について
セシウム137(半減期30年)は、大気中に放出された分だけでヒロシマ原爆の168発分に相当する。(IAEA閣僚会議への政府報告)実際はその2~3倍はある。また太平洋側にこれと同等程度のセシウムを流したと思われる。
3)現在も進行形の福島原発原子炉の状況について
4号機は骨組みだけの状態だが、穴のあいている最上階の下の壁の向こうのあるプールに広島原発5000発分に相当する使用済み核燃料が沈んでいる状態にある。再び地震で建屋が崩れた場合の惨状は計り知れない。
4)放射能観測情報の見方について
政府の発表した放射線分布に色分けがしてあります。濃い青色で塗られたエリアは1平米6-10万ベクレルの地域です。くすんだ緑色が1㎡3-6万ベクレル。地図でいえば、宮城県と茨城南部と北部、群馬県と千葉県の北部、新潟県、埼玉県、東京都の一部がこれに該当する。
5)1㎡3-6万ベクレルの汚染地域の意味について
私の勤務する原子炉実験室には、放射線被曝を外部に持ち出さないために放射線管理区域を設けている。この区域は、水、食べ物、寝たりすることができないエリアである。
自分の実験着の汚染状態を測定しないと外(通常の汚染されていない空間)には出られない仕組みになっている。自分に付着した放射能が1㎡4万ベクレル以下にならないとそこから出られない。つまりくすんだ緑色地帯は、放射線管理区域に当たるということです。(管理区域を指定した法律は、現在反故にされ年間1ミリシーベル基準に収斂させた)この地域も避難地域にしなければならないということである。
6)強制避難地域の広さと被害について
すでに失われた大地は、琵琶湖の1.5倍に相当する。放射能で汚染された土地は、そのまま使い物にならない土地になったということ。
上記の土地を含めると相当膨大な土地と水が汚染されたことを忘れてはならない。またこれに伴い汚染食料で第一次産業が崩壊し、生活が破壊されたことは言うまでもない。
人間だけでなく、名前をつけた牛も馬も放置せざるをえず餓死させてしまった。金銭的に計れることは、損害賠償させるべきである。東京電力に責任を取らせることが必要である。
7)子供を被曝させないことについて
子供は、原発開発の責任を問えない世代だが、しかしその最大の被害者は子供である。放射線癌死の依存数から説明したい。結論は、1000万人中全年齢平均で3731人が癌死するということ。30歳平均で3855人が癌死する。0歳時で15152人。55歳平均で49人である。子供であればあるほど被曝させてはならないということである。
8)原発の生み出す「死の灰」について
日本の原発は1966年開始したが、発電量は7兆キロワット。生み出した死の灰は、広島原爆の120万発分に上る。半減期を補正した場合でも90万発分の死の灰が日本国土に残っている。死の灰の捨て場所はどうするのか?
ロケットや海洋処分、南極地下放棄、地層処分(300m~1000m)など色々検討されたが、そのいずれもが、実現できずにいる。最近学術会議が立法化した地層処分への反対を表明したが、遅すぎると思う。
9)核燃料の300年監視について
政府は、使用済み核燃料を300年監視すると言う。300年前といえば赤穂浪士の討ち入りのあった元禄年間に当たる。そのような時代感覚で「監視」が可能であるという認識自体が不遜だと思う。
10)「原発をやめても停電など起きない。」
電源別の発電設備容量と実際の発電量のグラフをみれば、水力が19%、火力が46%、原子力が65%、自家発電が49%である。1930年以降の発電設備容量と最大需要電力量のグラフから言えることは、電気の特性から必要な最大需要電力量はほぼ水力と火力の発電量で賄うことができることである。それでも足りなくなったら、自家発電量を設備容量で稼働すれば、十分賄うことができるのです。
この講演会では、二回忌野清志郎のライブコンサートの録画が放映された。「原発反対」のメッセージを載せた演奏曲DVDは発禁状態で、流通から遮断されたと言う。
by inmylife-after60
| 2012-10-14 14:04
| 震災・原発・廃炉
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