2016年 04月 07日
旧満州国訪問記(2)〜瀋陽「九・一八歴史記念館」を中心に〜 |
日本による旧満州国侵略の足跡を辿る旅行にとって、瀋陽(旧奉天)は最も重要な都市である。週末2度にわたって清朝陵墓などの世界遺産を含めて訪問した。
ここ瀋陽にある「九・一八事変歴史博物館」(1991年開館)は日中戦争(「15年戦争」)の基点となる「柳条湖事件」(中国は「九・一八事変」と言う)を中心とする侵略史跡を集大成した歴史記念館である。この事件は、1931年9月18日「東北辺防軍」による満鉄線路爆破(満鉄急行列車は、「爆破現場」を通過し無事終着駅「大連」に到着)を偽装し、これを口実に張学良らの東北辺防軍拠点を占拠し、満州全域を制圧した謀略事件である。この作戦は、張学良らが反乱軍(この反乱も日本の特務機関の工作であったと言われる)鎮圧のために河北に主力軍(11万5千人)を派兵し瀋陽を留守にした間隙を突いた関東軍板垣征四郎高級参謀らの電撃作戦であった。
この皇姑屯事件は、現地で買った「抗日戦争的細節」(魏風華著)にも中国の抗日戦争の足跡を辿る事件として冒頭に登場する事件である。
もう一つ紹介したい歴史資料館は、瀋陽故宮の近くにある「張氏帥府博物館」である。ここは、父張作霖の爆死後百二歳まで生きた張学良を知る上で欠かせない資料館である。公式歴史記念館ではあまり触れられない「西安事件(蒋介石を軟禁し、抗日のための国共合作(統一戦線)を結成させた事件)」に至る張学良の足跡を詳しく知ることができる記念館である。
余談だが、張学良が当時の民国四大ハンサムボーイだったというポスターを街頭でみることができた。いまでも瀋陽では人気ある政治家なのだろう。
by inmylife-after60
| 2016-04-07 14:41
| 中国訪問記
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