2017年 09月 26日
第16回南京フォーラム参加訪問記 |
第16回南京フォーラム参加訪問記
9月8日から9月10日まで南京で開催された第16回「歴史認識と東アジアの平和」フォーラムに参加した。
このフォーラムは、2001年から開始された日中韓の「歴史認識」を巡る共通理解に基づく歴史教科書作成にむけた基本的な枠組みづくりを進めてきたものであり、今回は中国社会科学院近代史研究会と南京大学歴史学院などと日本と韓国のフォーラム実行委員会が主催して行われた。日本側フォーラム団長は石山久男さん、事務局長は俵義文さんであった。
会場は、江蘇省会議センターと呼ばれる鐘山賓館を中心としたエリアであり、フォーラム開催場所は、1946年2月から開始された南京BC級戦犯裁判の会場となった「黄埔庁」であった。この建物は、元々孫文が広州に開設した国民党黄埔軍官学校を移転してつくられた軍官学校施設を引き継いだものである。この会議センターの前の通りは、黄埔路といい、東側に南京博物館や明故宮、西側に大行宮駅と総督府など観光には便利なエリアでもある。
フォーラムにおける発言では、ピースボートの川崎さんの「核兵器禁止条約の成立下における東アジアの非核化への新たな展望」、沖縄平和ネットワーク北上田さんの「戦争体験から何かを学ぶか、軍隊と戦争加害に関わる沖縄戦をどう継承するか」、明治大学渡辺さんの「登戸研究所のもつ意義と役割」、日中韓歴史教科書編集委員の上田さんの「『歴史総合』に関する6つの基本的検討課題」、南京民間抗日戦争博物館館長の「宮崎八紘一宇塔に使われた略奪麒麟石などの返還運動と2000人証言記録活動」などの報告に多くを学ぶことができた。
今回も南京には前々日(7日)に上海虹橋に入り、上海虹橋から高鉄で南京に向かった。上海のホテルは、上海虹橋駅から高速バスで1時程の上海の西南部にある余山・松江地区に宿泊した。ここは近くに大学があり、とても緑の多い低層の住宅街のなかにある郊外型住宅開発エリアであった。
翌日(8日)午前中にこのエリアの観光地を捜し、上海辰山植物園にいった。余り時間がなかったが、ここは日本でイメージした室内施設を中心にしたイメージとは異なり、相当広大なスベースにつくられたテーマパークのような植物園であった。午後2時に上海虹橋駅から南京に向かい、新街口駅南に投宿した。
フォーラム初日(9日)午後、「戦争をめぐる歴史記憶と多次元の反省」というセッションにてこの間取り組んできた「現代史と現代認識」に関する大学生3700名のアンケートの調査結果について発言する機会を頂き、報告をすることができた。
フォーラム二日目(10日)の午後から、日本側参加者を対象にしたフィールドワークでは、南京大虐殺同胞記念館と利济巷慰安所旧跡陳列館を訪問した。
記念館は現在80周年記念に伴う改修中であり、欧米用に海外出典した展示に限定された展示スベースを参観することとなった。利济巷慰安所旧跡陳列館は展示変更はなかった。
フォーラムが終了した三日目(11日)は自由参加のフィールドワークが行われた。コースは、中華門、老門東、ジョンラーベ記念館、宝船公園(鄭和遠征)、草履峡虐殺受難同胞祈念塔を見学した。
〜宝船公園〜
帰りのバスで名古屋から参加された小野政美さんから明日上海にいくのでご一緒できないかとの申し出があり、翌日12(日)一日お付き合いさせて頂いた。
12日は前日が定休日で見学出来なかった総統府、一作日行った利济巷慰安所旧跡陳列館に向かい、陳列館カタログ記念冊子を頂き、新街口近くの新華書店で、高校教科書(世界史と国史、道徳教科書)を購入するなどのお手伝いをさせて頂いた。
翌日13日午後上海浦東空港から夕方成田に帰国した。
by inmylife-after60
| 2017-09-26 16:42
| 歴史認識・歴史学習
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