「世界」9月号「沖縄が問う民主主義」:前泊博盛を読む |
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2018年 08月 17日
「世界」9月号「沖縄が問う民主主義」:前泊博盛を読む 1)菅官房長官の言う「普天間基地は世界一危険な基地」は本当か? 筆者は「本土復帰(1972年)以降の沖縄の米軍機事故は738件も起きている。うち基地別事故発生件数で「普天間は、軍用ヘリコプター10件、戦闘機7件を合わせて17件に過ぎない。一方で、嘉手納は回転翼機8件、固定翼機500件の508件を数える」という。しかし菅官房長官は普天間の30倍の事故に塗れる嘉手納の危険除去や移設は口にしない。何故か!嘉手納は「アンタッチャブル」だからであると言う。 筆者は沖縄における米軍機事故を固定翼(戦闘機)と回転翼機(ヘリ機)の事故発生に関わる特性に着目する。つまり回転翼機は、基地に辿り着けない基地外の事故と死傷事故を引き起こすと言う。ヘリ事故は、復帰後131件の内、基地内は33件、残る98件は基地外で発生した。普天間は、回転翼機が中心であり、普天間を飛び立った米軍ヘリによる事故の75%は基地外で起きていると言う。 菅官房長官のいう「普天間の危険性除去には辺野古移設が唯一の方法」の根拠が乏しいという。何故なら「普天間を移設したとしても、辺野古を飛び立ったヘリは、沖縄にある60箇所を超えるヘリパットを飛び交うことになる」からだと言う。 2)「沖縄復興費はすべて沖縄に落ちる」は本当か? 筆者は「政府は、翁長県政誕生以降、沖縄政府関連予算を削減し、翁長県政の目指す「脱基地経済」政策に対して、一般的公共工事である「内閣府沖縄総合事務局」発注の公共工事は激減し、代わって「沖縄防衛局」発注工事が急増し、2014年度は、沖縄防衛局工事予算316億円と倍増し、沖縄総合事務局工事予算を超えた」という。 一般に沖縄には米軍基地関連予算と沖縄復興予算として5000億円規模の予算が沖縄に投じられ、沖縄経済を潤しているかのように思われている。実際には「歩留まり」の悪さから「ザル経済」と呼ばれる「投下資本の本土環流」問題を抱えているという。つまり沖縄県内企業には件数ベースで84%発注されるが、金額ベースになると51.6%に激減し、半分は本土企業に還元されるという。辺野古も着工以前の環境アセスメントに関する工事と事業の90%は防衛省の天下り企業といい、実際の工事は本土ゼネコンが入り込み、沖縄企業はその下請けと孫請けに甘んじる状態という。 また沖縄は、復帰後の基地返還に伴う再開発で、1965年当時の県民所得に占める基地関連収入は30.4%であったが、72年には15.5%と半減し、2014年は5.7%とその依存度は減少しており、もはや沖縄にとって基地経済は不経済」として、沖縄県は、基地による経済損失を毎年1兆円と試算結果を公表していると言う。 3)「日本は主権国家」とは本当か? 筆者は、「安倍政権の掲げる辺野古基地建設は1960年代後半に海兵隊が計画していた構想であるが、普天間の危険性除去を方便に日本国民の血税で米軍基地が建設されようとしている。米国は、1952年発効のサンフランシスコ条約と引き替えに締結した日米安保条約によって、「全土基地方式」と呼ばれる占領政策をそのまま継続し、前後70年を過ぎた今日も、広大な米軍基地をその駐留経費の75%を日本政府が負担する形で維持してきた」とする。 また「地位協定は、米兵は出入国管理の対象外であり、犯罪を起こしても、起訴される迄、身柄を引き渡されることもなく、犯罪被害者への補償金を値切っても差額分を日本政府が税金で補填され、首都圏にさえ巨大な基地と専用空域を提供し、国内法の適用が免除される米兵の人数すらも把握できず、米軍機の自由な飛行を保障し、低空訓練も看過される状態にある」とする。 —————————— 全くの同感である。日本は、1952年「独立」したというが、それは形式に過ぎない。日本の国土と国民が制限される環境下におかれる今の状態は、「みずからのことをみずからが決められない」という「自決権」がないことに他ならない。 主権国家とは程遠い現在の日本の根源は占領下の治外法権をそのまま引き継いだ「日米行政協定」にあり、国会審議もなく、60年安保改訂時にそのまま継承された現「地位協定」にある。 押し付けられたのは、「憲法」ではなく、「日米行政協定」であり、これは戦後一度も改定をされることなく、日本の主権を侵し続けているのである。 「戦後レジュームからの脱却」とは自主憲法を制定することではなく、日本の主権と自決権を脅かす「地位協定」の改定にある。これに手を付けずに憲法に自衛隊を明記するという改憲案こそ、この体制の行く着く先がどのようなものかを容易に想像することができる。つまりそれは「地位協定」の憲法化に他ならない。
by inmylife-after60
| 2018-08-17 18:18
| 政治・外交・反戦
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