建築倉庫ミュージアム:展示会「ガウディをはかる」 |
本日、天王洲アイルにある建築倉庫ミュージアムで開催されている「ガウディをはかる」という展示会を参観した。
アントニオ・ガウディ(1852年~1926年)は、3世紀にわたる教会の建設を委託され、死後もまだ弟子達によってその建造が継承され、まだなお完成し終えていないサグラダ・ファミリアの建築家として有名である。
30年程迄にバルセロナを訪問し、ピカソ美術館、ランブラス通り、サグラダ・ファミリア、グエル公園やカサ・ミラなどに行ったが、ガウディの建築作品のユニークなデザインに驚嘆したことを覚えている。
今回、日本人:田中裕也さんによるガウディの建築物の実測図をみたくなり参観した。ここで判ったことを紹介したい。
まず、ガウディの建築物には、行政機関に出す建築申請図以外の図面を作っていないと言う。ではどうしたか?
まず模型をつくり、スケッチを描いて、現場の職人と一緒につくったと言う。従って図面はのこされていないと言う。これは第一の驚きだった。
次の驚きは、彼の建築手法である。グエル公園はとても広い公園だが、約2年で作ったという。これもユニークな公園で、恐竜たちが多数描かれており、子どもからも人気の公園だが、この工法は、プレハブの手法と同一であるという。ユニットを設計し、ユニットを多数でつくり、現場で組み立てるという工法らしい。
サグラダ・ファミリアの登楼(90メートルを超える4つの尖塔)も、明確な設計ユニットをもち、それは自分の歩幅(75センチ)の10倍を基準にした間隔をもつという。
ガウディは、もともと直線より、放物線や特殊な曲線(カテナリー曲線)を多用したと言い、壁画やモニュメントに多用される恐竜や海洋模様は、地中海の影響であり、また恐竜と覚しきドラゴンは、バルセロナの神話に由来すると言う。
建築家の最初の所作は、やはり模型とスケッチをつくるということなのだということを改めて知った。